武力衝突にまで発展する可能性

28日午前10時50分すぎから同11時20分ごろにかけ、沖縄県石垣市尖閣諸島久場島沖などで、中国国家海洋局の海洋監視船4隻が日本の領海に侵入した。4隻は2時間ほどで領海を出た後、周辺の接続水域を航行。海上保安庁が監視している。中国当局船が日本の領海に入るのは今月25日以来で、今年10回目。
 第11管区海上保安本部(那覇市)によると、4隻は「海監15」「海監26」「海監49」「海監50」。領海に侵入後、魚釣島を周回するように航行していたが、午後0時55分ごろから相次いで領海を出た。海保の警告には応答がないという
 歴史的に見て、現状維持国家の軍事力(パワー)が、現状変更国家のパワーを上回っていれば、衝突には至りませんが、現状変更国家のパワーが上回れば、武力衝突の可能性は格段と高まります。盧溝橋事件に始まる日中戦争は、当時、現状変更国家だった日本のパワーが中国を上回っていたからです。
現時点で日本と中国のパワーを比べれば、均衡、もしくは、中国に有利な状況になり始めていると言っていいでしょう。ただし、中国が武力衝突に踏み切るのは、「核心的利益」が侵害された場合です。中国にとって核心的利益とは、次の三つ、(1)共産党支配(2)主権や領土(3)経済発展に分けられるという。
 尖閣諸島は(2)の主権や領土ですので、中国にとって核心的利益ですが、現在、中国は経済発展を優先し、国民を豊かにすることで、最優先の利益である(1)の共産党支配を安定させているので、あえて「外敵」をつくってまで戦う可能性は高い。
しかし、経済発展が滞ることで共産党政権に対する国民の不満が高まり、また、主権や領土に対する共産党政権の対応に不平が出てくるようになると、中国は共産党支配を強化するために、日本という「外敵」をつくって戦うという選択肢を選ぶことになる。
その場合でも、中国は日本の同盟国である米国が参戦してきた場合には敗北することを自覚しています。したがって、日本と武力衝突する場合には、米国が参戦しない程度の衝突、つまり「小さな戦争」という手段を選択する。
 それは(3)の核心的利益である経済発展に対する影響を少なく抑えることもできるからだ。
 こうした状況に直面する日本にとって重要なことは、尖閣での衝突を、中国が「小さな戦争」と判断しないようにすることです。
 そのためには、今の海上保安庁による警戒監視体制を強化し、さらに、都道府県警察の機動隊を離島警備に活用すること。海保と警察による離島沿岸警備体制を、常に陸海空自衛隊がバックアップできる体制を一日も早く確立することです。同時に、中国の軍事力強化に合わせ、日本も自衛隊の防衛力を強化するとともに、米国との軍事的な連携をさらに深めていく必要がある。
 ただし、残された時間はそう長くないということは、きちんと自覚しなければなりません。
 領海内を警告を無視しての行動は断固たる措置が必要である。警告を無視しての航行は、強い意志での活動である。
 石垣島などに自衛隊を早期に配備すべきである。
中国海軍恐れに足りず。攻撃力しかり。防衛力は万全。
それまでの間、海保の大型巡視艇を増強配備すべきである。