一歩前進-06 基本課程(1 )

 入校式が終了すると、いよいよ本格的な訓練が開始された。
 起床から就寝するまでびっしりとスケジュールが定められている。
 学科、体育、教練、防衛学等がくまれ、午前学科、午後体育又は教練等となる。
 ちょっと変わっているのが課業時間外である。先輩期が4名ほど専門(指導学生)につき、毎日色々なメニューを考え徹底的に指導してくれた。
 我々が入校したときは、教育期間が15ヵ月(現在は2年間)であった。
 必然的に先輩期と共にする期間は、3ヵ月、その後の操縦者としての凝縮された想い出と伝統が作られる。
 当初は、いわゆる学科教育のほとんどは自衛隊員としての基本的なものであり防衛学等が主となる。また形を重視、教練を徹底して実施された。課業時間には、教官、区隊長等からみっちりと、そして課業時間外は、・・・・・・・
 指導学生があらゆる面において親身になって指導してくれる。
 課業終了17:00。食事、風呂を終え、17:30には集合(5分前集合完了)し、教練・隊歌練習・体力増強訓練(腕立て、駆け足、うさぎ跳び等)が通常19:00まで続けられる。
その後は、21:00まで強制的自習時間。同期全員が各教場で助教の監視下でまじめに続けられる。この時間が勿論同期生の融和団結、協調心等を養うのに役に立ったのである。
 21:00から点呼のある22:00の間が一日で一番気が休まる自分の時間として活用できる時間となる。勿論、この間に手紙を書いたり掃除や明日の準備をすることになる。
 先輩期と過ごすこの期間で伝統と空への憧れそして不撓不屈の精神力と意気が養われ航空自衛隊の先兵としての自信がついてくる。
 6月上旬、先輩期の18期が卒業した。後に述べるが「飛行適性」があったのは、37〜8名だったと記憶する。
 卒業前は、特に「飛行適正」のなかった者の精神的ダメージは大きく、精神的に大荒れの時期となる。来年は、「俺も仲間か」誰にもわからない何ともやるせない気持ちになったことを覚えている。
 卒業式には、19期生の総代として送辞<を読んだ。