一歩前進−08  基本課程(3)

 基本課程中の訓練は、防大や幹部候補生課程に匹敵する厳しいものである。

皆の目標は、課程の卒業と「適性飛行」の合格でありそれまでは同期全員が助け合いそろって前進する事であった。 戦闘訓練・体育・学科と厳しい毎日であったがこの様なとき心の支えとなった単純明快な言葉があった。これは、代々先輩から受け継がれた航空学生の意気を示すものであった。<
 俺達は若い、将来は国の安全保障のため大きな力となるばかりでなく一人一人が「男のロマン」と「夢」を達成するための精神的な支えともなった。
 それは、「三本のき」とそれを育てる「肥料」があると言うことである。

 一本目は、「元気」である。二本目は、「やる気」三本目は、「負けん気」である。

 何事にも「元気」に沈むことなく後ろ向きにならず、与えられた目標やなすべき事を積極的にやり、どんな困難や他人に負けることない「負けん気」を持ち、前進することが必要である。しかし、それにはそれを育てる肥料が必要である。

それが、「なにくそ」と言う肥料である。

「元気」「やる気」「負けん気」の三本の気とそして「なにくそ」と言う肥料なのである。
「元気」「やる気」「負けん気」の三本の気を持ち、前進することが必要である。「なにくそ」と言う肥料なのである。

 何となく力がわいてくる、単純明快な精神要素の育成剤である。

 先輩からこの言葉を聞き、後輩に受け継ぐことが出来たのは、ひょっとして、同じ世代に同じ目標を持った男達のちょっとしたロマン」であったかもしれない。
 皆さんも口ずさんでみて下さい。