一歩前進-18  戦闘機操縦課程

 今までは、あらゆるアクロバットの基本を学んできたが、F−86Fにより戦闘法の基本を学ぶことになる。
一人乗りであるため最初から単独飛行である。徹底した緊急事態対処要領を演練し習熟した後飛行が開始された。
 教官は、実戦部隊で2〜4機編隊長で緊急待機の経験もあり、何度も緊急発進の経験を持ち、総隊が行う競点射撃大会優勝者も多くまさに学生にとっては神様の様な先輩が多かった。
 勿論、ブルーインパルスパイロットもおり良い目標となる先輩がのきを通なれていた。
「空中戦闘」「要撃戦闘」「空対空射撃」「雲中飛行」等がそれである。
「空中戦闘」では、単機・2機・多数機で行う各種の基本的戦闘要領を学び、「要撃戦闘」では、彼我不明機がわが国に侵入した時を想定し、優位な位置への占位方法、火器の選択、ミサイル等の発射要領等を徹底教育される。これが終了すると、いよいよ「空中射撃」の実射が行われる。7〜10回訓練後写真検定に合格した者のみ実射(訓練弾)が許可される。
この課目は、通常4機編隊で実施され、安全性・協調性・見張り・編隊飛行能力等を高める為重要であり、松島基地における基本射撃教育においてT−2までは実施されていた。F-2教育では確認していない。
T-33(その後T−4)で2m×10mの標的を約500mの曳航索をつけ曳き標的までの距離約300〜500mの間において射撃する。弾の先に赤・青・黄・緑等の色を塗り命中弾を競う。
 標的は、飛行場に持って帰り弾着を確認する。うまいものは、当たり。下手は当それなりである。戦闘機操縦者として芽が出るか一生惨めな思いをするか、この頃からの努力や意気込みで決まると言っても過言ではない。
ここでは、30発の弾着を2度(約15回の実弾射撃平均18発)得ることが出来大きな自信となり任地松島基地への夢を大きく持つようになる。