リーダーシップの概念

 防大7期、佐藤守
 好きなことを言う、防大出身者にしては変わり者か。しかし私は彼が大好きだ。と言ったら怒られるがFCの教官であり3空団では上司と部下の間柄。
 しかし、彼は、良くアドバイスをくれ、仕事では専門的なことについては時として任せてくれる度量があった。
 こんな彼は、このHatenaDairyでよくコメントしている。
 最近こんな記事を見たので紹介する。

 {私は言うまでもなく単なる元戦闘機のりに過ぎないから、体験といえばそれに限られてくる。
 「リーダーシップの概念」等については、山ほど資料があるが、整理してみて気がついたのは、わが国のそれには「軍事的観点」からの解説が少ないことである。
 もっとも“軍国主義”華やかなりし時代はリーダー=軍人的な感覚があったが、戦後の経済優先時代は、やはりリーダー=企業家的な感覚が優先しているようだ。士農工商は死語となり、商農工士になった証か?
 我々戦闘機のりの合言葉は「ステイ・ウイズ・リーダー」。つまり、どこまでも編隊長についていくという「編隊精神」である。
 そのためリーダーたるものは、部下以上に修養を積み、知識技能はもちろん、人格も円満でなくてはならない。
 航空雑誌に求められて、戦闘機パイロットに向かない者を上げさせられたが、私は「強がりをいう。弁解する。依頼心が強い。うそをつく。人間的に信用できない」者は絶対に向かないが、「誠実で努力がみられる者」は技術的には下手でも教官が引き上げる、と答えた。
 さらに私の4年4か月にわたる戦闘機操縦教官としての体験で言えば、「平常心」「几帳面さ」「敬天愛人の精神」「節制心と自制心」が大事だとも付け加えた。
 つまり、3次元の世界でパニックに陥ると一巻の終わりだし、几帳面さがなければミスプロシージャーに気が付かない。そして厳しい3次元の世界に畏敬の念を抱き、酒や○○におぼれない自制心が大切。
 結論として、現代の指導者に欠落しているものは、「判断力」と「勇気」、そして「人間的魅力」だと結んだのだが、さて、私の“体験的リーダー観”はご理解いただけただろうか?
 いずれにせよ、3次元の世界では人間性は隠しようがないし「はったり」は通用しない。「このリーダーなら、どこまでもついていける!」と部下が感じるか否か?ところで今、友人から電話が入り、「防衛相に初の民間人、森本拓殖大大学院教授」内定という情報が入った。
 彼は防大、空自出身の後輩だが、パイロットではないから、私の「リーダー論」適用除外?者である。}
 
 この種の内容は、後日「一歩前進」で記載するが、この戦闘機のりの合言葉は「ステイ・ウイズ・リーダー」は、戦闘機パイロットに課せられた精神的よりどころであり死を共にすべき者たちのよりどころ、国家国民を命をはつて守ろうとするときのバイブルであったと回想する。