一歩前−29 事故防止

「慣れ」「マンネリ」「先入観」これが一致すると事故が発生する。
 指揮官として、隊員を指導する場合、これらの一つを必ず欠かせば事故は起きないし、発生したとしても大事故にならなかったり、対処も容易となる。
 飛行隊長として航空機を飛ばし、隊員や学生、教官を指導する場合、その時々の状況を的確に判断し、進むべき方向・目標を指示し、個人の能力を最高度に発揮させるとともに事故防止に努めた。
勿論、航空機は空にあり事故は絶対起こるという前提にたち不測事態対処、手順は、迅速かつ正確に、「他への被害極限」を重視した。
「死人だけは絶対出すな」後は、「慣れ」「マンネリ」「先入観」が働きやすい次ぎの事項に注意し自分の能力を最大に発揮せよと指導した。
 ①目標に近づき仕事が終わりそうになったとき
②同一仕事を毎日繰り返し続けているとき
③仕事の内容も解かり仕事に対し自信が生まれたとき
④簡単で単調な仕事に従事しているとき
⑤仕事に対する意欲が低下しているとき
⑥動作・手順のみが強調され、その目的が理解されていないとき
⑦管理者の不十分な監督指導(十分指導できない、現場のいいなりになるのも同様)管理者(指揮官)は、進むべき方向を明示し、誤りなきよう指導すると共に良き幕僚を育てなければならない。
指導的立場にある若い人たちに何らかの参考になれば幸いである。