一歩前進-34 (26 シミュレーター)

T-2が運用されていたころ松島基地には、3つの異なったシミュレーターがあり、学生教育に使用されていた。
F-2が配備されてからは、F-2教育用シミュレーターとバーティゴシミュレーターがあったが、今回の津波で全て被害をうけ運用できなくなった。
 T-2のころのシミュレーターについて記すことにする。
一つは、3軸であり飛行データーが記録され、プリントアウトできる機能をもつ。また、ペンレコーダーもついており自分の飛行経路を即座に知ることが出来た。
シミュレーターの目的は、実飛行せずに操縦の基本的操作や判断力を助長することにある。
この器材の目的は、緊急手順の反復演練、エンジンスタートや基本手順の演練に使用したり、計器飛行や課目実施に必要などの手順の演練に使用されていた。
特に、計器飛行については、あるパターンを規定化し手順や諸元の保持状況について点数評価出来るようになっていた。
二つ目は、6軸のものであり、ビジュアルもついている。ゲームセンターにあるゲームににていると思えばよい。
この器材は、主として、戦技の基本的演練をする場合に使用し、空中射撃や爆撃、レーダーを使用しての全ての手順等の演練が出来る。
共に、学生が搭乗する場合は、教官がつき指示が出来るようになっており、その時々において評価する。
この、シミュレーターの開発・実験にもたずさわることが出来たが、実機と操縦感覚・性能・特性を完全模擬したつもりでいる。
計器飛行の評価機能には、パイロットの操作感覚・修正要領おも念頭にいれ完成させた。しかし、実機との違いはあくまでも残りそれは、教官が評価しなければならなかった。
最後の一つがバーティゴシミュレーターである。飛行に及ぼす全ての錯覚の状況が模擬されている。飛行中に生起する各種原因による錯覚のため多くのパイロットが事故を起こし死亡している。錯覚を認識させるためのものであり、細部は、次回に述べたいと思います。