一歩前進ー60(53 心の暦)

昭和46年7月1日、第5飛行隊は整理され、「第1航空団松島派遣隊」としてFC教育を開始した。
7月31日は、かの雫石事故が発生小生は、モーボで勤務していた。
第5飛行隊の主力が第1航空団松島派遣隊2日前のとなる昭和46年6月29日「心の暦」と「戦闘機操縦者修学の心構え」を策定し、飛行隊ブリーフィングルームに掲げた。
 心の暦は小生が、修学の心得は、木村恵一当時1尉(防大5期)これは、昭和52年7月1日第7飛行隊が整理されるまで掲げられた。
一例を紹介する。

謙 譲 下がるほどその名は上がる藤の花
果 断 不能の2字は愚人の辞書に見ゆるのみ
判断の適切、決心の迅速 宇宙と太陽、団結とその中心
周章狼狽は、自滅を招く
礼 節 仲がよいとて礼節を欠けるな、
円という字も角がある
不動の精神、不動の方針
悠 久 枯葉抹節にこだわるな、浮和雷同するな
七転八起、一転でいちころ
七息思案
捨身断行 叩かるる慈悲から起きよ雪の竹
気 概 思う念力岩をも通す
職 責 世の中に籠に乗る人担ぐ人、 尻の痛さに肩の痛さよ
豪 胆 男の心と大黒柱は、太いが上に太いよい
報 恩 親の恩歯が抜けてからかみしめる
可愛くば、二つしかって三つほめ五つ教えて良き人にせよ
心こそ心惑わす心なり、心に心心許すな
大は小かねるも杓子は耳掻きにならず
無限の信頼、無限の責任
純 粋 無我夢中は無私無欲に通ず
健全明瞭邪念なし
飛行準備は常に綿密周到であれ
最悪の条件、最大の相互信頼
我慢辛抱、冬の後には必ず春に
初発心時弁成正覚

※ 戦闘機操縦課程修学の心構え

1 やる気のないものは去れ このために
(1)いかなる惨烈苛酷な状況下におかれても敢然として
  目的達成ために邁進しうる熾烈強靱な攻撃精神の涵養
(2)航空機の高性能化に伴い生理的過重に耐えうる
  強健な肉体の涵養
(3)高性能機械を合理的に駆使するための知識技能の錬磨
(4)幹部自衛官としての徳性の涵養
2 多数のために少数が奉仕する精神に徹しきれないものは去れ
3 「FCは学生最後の課程」という考えを捨てよ
  「TACのOR」になるための一過程のつもりで修養せよ