一歩前進−22(37)  イメージトレーニング

 最近色々なところで「イメージトレーニング」に関する言葉を聞く。
自衛隊パイロットの飛行訓練にも欠かせない重要なトレーニングである。
学生訓練に於いて、ユニークな訓練方法を取り入れ実施したことがある。
学生は必至だが端から見ると滑稽に見えるが現在基地の航空祭で大活躍の「ブルーインパルスJr」のルーツかもしれない。今、彼らは、ブルーインパレスの飛行を参考に地上において50ccのバイクで地上での曲技を披露している。
一度是非見学してもらいたいと思います。
当時、飛行訓練終了後の広いランプ地区で射撃訓練パターンの飛行要領を体験させたものである。
最初は、各人歩きながらパターンを、回らせ、次に自転車で。勿論、フロセジャーを口にし、ラジオ交信し、各飛行位置に置いては着意事項をのべながら何度も何度も繰り返させたものである。
これも、一種のイメージトレーニングであると思う。
射撃の腕のうまい、下手は、弾着の数で解る。
一見くだらない動きだが学生はいたってまじめ。一発でも多く当てるための最良の訓練であったと思う。
イメージトレーニングで重要な事は、ただ単に頭の中で考え繰り返すのみに留まらず、手、足、目、そして体全体に体験させ、事象が発生した時、自動的に体が動くようにする。
これの集大成が緊急手順の処置であり、正しい判断への材料となるのである。
次に起こる事象や初めて体験するものをイメージすることは困難であるが、事前の学習、教科書・書物等の行間を読み、周囲からの情報を色々な角度から収集・分析し、活用することが大切である。