一歩前進−24(71) 非常呼集時の営内候補生の役目

 TR訓練期間中の新米パイロットの仕事は、早朝のオペレーションの清掃、先輩へのコーヒーやお茶の準備、客の接待等の小間使いである。たまには、コピー、ガリスリ、代書、また、慣れてくるとアラートのデスパッチャーと多彩な仕事が毎日忙しくあてがわれたものである。
 そんな中で、戦闘機パイロットとして必要な戦闘規則などの秘密文書を精読しなければならなかった。時々、先輩たちからの質問を受け、合格しなければとばせてくれなかった。週に一度程度が飛行訓練、その他は、雑用だった。
 また、一週間に一度は、方面隊の呼集「態勢移行訓練」がかかった。
 通常、05:00頃である。
営内パイロットの最大の役目は、7Sqに遅れをとらないことである。
 当時は、まず基地内と南浦官舎地区のサイレンがウーウーウーと7回鳴り「CENTORAL SECTER COKED PISTOL」 官舎地区の隊員は自動的に出勤するがその他は、伝令による呼集であった。小生も任官後は、駅裏の高階さんで下宿をしていたので伝令が到着するには発令後20〜30分過ぎてからであった。
 まず7飛行隊より早く態勢完了することが大切である。
 そのころの営内パイロットの手順を書いてみたい。
①7Sqのパイロットより早く起き、部屋を出る
②自転車置き場の7Sqの自転車をたおす
    (出勤を遅らせる・・・遅れるとこちらが倒される)
③OPSについたら個人装具室の鍵をあける
④整備員と一緒にハンガーのドアをあける
⑤一人は、飛行機の搬出状況を確認し、スケジュールボードに機番・パイロット名を表示する
⑥飛行機を搬出するときは、一部はブレーキマンをつとめる。
⑦個人装具室からデインギー、ヘルメットを持ち搬出された飛行機のところに行き外部点検をする。
⑧が部点検が終了するとエンジンをかけ、タクシー(地上滑走)し、当時は、R/W33でRUN UPをする。
⑨RUMP INしエンジンをとめ弾薬搭載の確認と外部点検、5分待機のSET UPをし、OR操縦士に引き継ぐ
 ・・・・このころ、隊長はじめとしてパイロットが続々到着する。
     これまでの時間おおむね、20分
⑩引き渡し後、次の飛行機の試運転に向かう。
 順次行うが、通常3機は、SETする。
⑪全機を5分待機とするまで繰り返すが、最小8機の準備を優先する。

    <5sqの若武者>
 当時の呼集、矢本町には大変迷惑をかけたと思う。サイレンの音、そして、立沼の人は騒かった事だろう。
 R/W 33でのRUN UPは、T−2の配備と伴になくなった。
飛行機の準備が終了したら、5分待機のパイロットのための食事の準備をする。配られる量は決まっているので自分のもしっかり確保するよう配食する。一人前になるまで3ヶ月ほどかかる。
TRや半人前は、この日一日大変である。
飛行隊では、この日、必ず反省会を行い、次に備える。
 我々TRは、必ず怒られ反省を求められたものである。