一歩前進−25(105) 恐怖の克服

 自己管理能力について記したが飛行そのものがストレスであり、恐怖そのものが常態であるとの認識を固めれば技術の向上を通じ完成することにより恐怖を克服し、強く逞しい戦闘機操縦者に育っていくものと思う。
ベテランになっても無意識的に行う誤操作により不安全な状態や緊急状態に陥ることがある。先に述べたように、恐怖の体験や事故の経験から何を得るか、誤操作のような個人的ミスが緊急事態が発生したとしてもどうしたら事故の恐怖から回復すればよいかを考えてみた。
①研究や関連知識の獲得
A/Cの性能特性、機体を把握した。緊急手順を行うことにより航空機が本来持つ機能を熟知することができた。
  失敗の原因、機動法を研究することにより誤操作による異常事態を安全に正常な状態に復帰させる能力ができた。(誰しもが誤操作をする認識)
②類似状況への積極的関与
特に飛行中、状況を冷静に判断できる環境を作る。先をみる癖をつける。
異常状態に冷静に判断できる。
③注意の喚起
前記に類似するがクロスチェックを多くし、計器の判読を早くする。
④思考の転換
気分一新、思いこみは危険。頭の切り替えが早くできるように。
⑤自己暗示
状況判断に基づいての自信を持つ。
事故等の原因と対策を正しく認知し暗示する。
⑥恐怖心の受容
不安や恐怖をそのまま認め受け入れる。
⑦恐怖心の表出
相談する。自分にあった脱出方法を見つけ出す。
⑧一時的逃避
一杯やるなど
⑨状況回避
無視する。
類似状況に近づかない。変更する勇気をもつ。
⑩体験がプラス
恐怖をクリアすることにより、自信につながる。