一歩前進−59(39 飛行指揮)

 空中において、飛行機を運用する場合時として「飛行指揮のあり方」「飛行指揮は如何に」と言う言葉を多く使う。
このほかにも地上において飛行機を指揮・運用する場合に於いても「飛行指揮」という言葉を使用する。
司令部幕僚あるいは飛行隊長として勤務したおり、部隊を効率的にある時期にある場所に最大の兵力を集中し、かつ、継戦能力を維持させるための努力を常日頃から心がけたものである。
幹部として、部隊指揮のあり方等に関しては、いろいろ議論すべき点はあるが、飛行指揮に関し最低限の物の考え方について経験を通じて一端を記してみたい。
学生教育部隊の隊長、特に戦闘機パイロット教育を携わる隊長として現職時代最低限行ってきた事項について記してみたい。
任務の特性上、定められた飛行訓練時間内において一定の技量に到達させる必要がある。民間のようにじっくりと言うわけには行かない。戦う集団として一人前にするためには、肉体的・精神的に一流でなければならなく、敵にかたねばならない。彼らが真に空の先兵として活躍しうる最低限の基本的能力を見極め完成してやらなければならないのである。
学生個々の進度、能力、体力、教官の能力、学生教官の相性、天象・気象、空域管理、支援する隊員の状況(整備・補給・消防・管制等)等を日々、時事確認し訓練計画を作成し、飛行命令を出す。
 
隊の飛行機が空中にあるときは、地上において指揮活動し、在空機の訓練状況確認(空域の気象、離発着、地上準備状況等)、もし緊急事態が発生したら・・・・。無線機、電話に耳を傾け、初動で失敗すると大惨事になるものについては、自分で行いなるべく委任代理はおかず対処したものである。
広い空の中で、「右に行け」「上に行け」「引っ張れ」「ハードターン」「バックオフ」等等そのボイスの持つ意味があらゆる状況の変化する中で意味が異なりその行動は、常にソノ時々正確に実施されなければならない。
地上でも、空中でも、編隊が2機であろうが4機であろうが理解し行動できるものだけがとなっていくのである。
        
                      14.9.30記