一歩前進-14 第Ⅱ初級操縦課程(T−1初等練習機)

T−1は、防府と静浜で同時に卒業した14名がスタートした。
九州芦屋町、ここは2期後輩が地上教育課程を履修中であり、当然我々は、後輩期を後目に意気揚々と訓練に望むことになる。
 初めてのジェット練習機と言うことでレシプロとは、また、違った緊張感があった。
 Tー34では、大変苦労しもう少しで「首」になるところであった。このため自分自身これ程努力し勉強し涙を流したことはなかった。教範・手順等、当時は完璧と自負するほど勉強し、教範のどこに何が書いてあるほど理解していた。「手順」「訓練内容」等全てに違いがあった。
 「手順」は、当たり前だが多くなり、より早く・正確性が要求された。「飛行性能」等は、加速・上昇中手順や意識が追いつかず、「訓練する高度帯」は、より高々度となり、「課目」は、多くなった。しかし、一番変化したのは、「酸素」を使用するためヘルメット・酸素マスクを使用することになったことである。


「空中操作」の中間検定時、当時日本海空域でアクロバット・ストール等のチェックを雲上で行っていた。雲のトップ(雲上高度)は、約15000フィート、その上は中国からの「黄砂」があり視程が悪かった
 通常海岸線や地形を見ながら課目を組み立てるが雲上であったため、「ADF」のみで空域を判断していた。 
 半年ぶりに同期が集い、毎日のように切磋琢磨したモノである。
 何となく一人前になった様な気になり思わず胸を張ったものである。
 教育時間は、約90時間。思い出も沢山あった。
   (編隊飛行ソロの後、同期の田中と記念写真)