一歩前進―48(30―青春とは)

 適性飛行の時のエピソードは、前に記したが、当時、検査を受け持つ飛行隊長が飛行の合間に講話してくれた。
この内容が今私の座右の銘の一つとしてよく後輩に言っている「青春」である。
この隊長は、当時吉原3佐、ノモウハン事件で日本陸軍パイロットの中では有名をとどろかした強者であり戦史にしばしば登場する。
この隊長が、ある時、黒板に大きく
「青春は、熱であり、意気であり、顧みる時の微笑みであれ"ゴロがよく、男らしく、素直な言葉に感激し事後この言葉を自分のものとし、目標に向かって進むことになった。
「夢や理想」を持つだけではダメ、それに向かってどの様に進むかである。
男として、「何を目標にして、明日を迎えるか」である。
目標なしにただ日を過ごし「昨日のことを思い出」にしようとしても、それは「思い出」ではなく、反省や後悔に終わってしまう。
「駝鳥の平和論」ではないが、目をつぶれば見えない(見えないから、全て存在しない)では、自分よがりで寂しいではないか。
政治・経済・国際情勢と時代の流れがめまぐるしく変化する中じっと自分を見据え、考える時間を持ち、あるべき姿をもとめ続けたいものである。
  夢のなごり」として、後に静かに回想出来れば男冥利と言うものである。